埼玉県、「GW明け1000人感染」現実味 自粛要請に追加4項目





県の新型コロナウイルス対策本部会議で訓示を述べる大野元裕知事(中央)=16日午後、県危機管理防災センター

 新型コロナウイルスの埼玉県内での感染拡大が止まらない。累計感染者数は516人(15日午後8時現在)に達し、大野元裕知事が専門家の見解として示した「大型連休(GW)明けに1千人」という試算が現実味を帯びてきた。県は16日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、すでに実施している外出自粛要請などに加え、飲食店での酒類提供時間縮小、一部地域での保育所閉所などを県民に対する要請項目に加える方針を決めた。

 16日の会議後、記者団の取材に応じた大野知事は、現状への強い危機感を言葉の端々ににじませた。

 「東京都の状況を見ていると、(1日あたりの)感染者が40人を超えた後、うなぎ上りで増えている。埼玉県は何とか粘っているが、根本的な解決には至っていない…」

 無理もない。県内では15日、累計10人目となる患者死亡を県が発表したほか、新たに男女61人の感染が確認された。1日あたりの判明数としては最多だ。

 医療関係者らの感染も後を絶たない。61人のうち1人は感染症指定医療機関のさいたま市立病院で集中治療室(ICU)病棟を担当する20代の女性看護師で、別の病気で治療を受けた患者3人と接触していた。川口市保健所では、新たに事務職の男性と保健師の女性の陽性が判明し、感染した職員は計7人になった。

 深刻な感染の広がりを踏まえ、16日の会議では、(1)飲食店での酒類の提供を午後7時までに限る(2)感染が拡大している地域の保育所や放課後児童クラブの一部を閉所(3)買い物には少人数で行き、他の人との間に2メートルの距離を確保(4)さらなるテレワーク(在宅勤務)の推進-の4項目を県民への要請項目に加えた。

 (1)の要請の背景にあるのは、「厳戒態勢」の東京都から埼玉県へ人が流入しているという見立てだ。大野知事は「東京都が『酒類の提供は午後7時まで』と要請して以降、都内から県南部に飲酒目的で人が流入している状況がある」と説明し、都と同じ水準に合わせることで流入の抑止を図る考えを示した。

 その上で「3月後半や4月前半に感染経路が明らかになった感染者の4~5割は東京都から来ていた。東京都と埼玉県の人の往来を抑えることが、感染対策の大きな鍵になる」と強調した。「陽性者の発症日でみると4月1日がピークで、その後は急増していない。3月26日からの外出自粛要請で一定程度の効果が出ている」とも語った。(竹之内秀介)



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