「医療崩壊」を回避したニューヨーク 人工呼吸器、病床を2倍に 最悪予測が奏功…

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米ニューヨークの街中を歩く市民ら=18日、(AP)

米ニューヨークの街中を歩く市民ら=18日、(AP)

 【ニューヨーク=上塚真由】新型コロナウイルスの封じ込めのため、米東部ニューヨーク州で3月22日に外出制限措置が始まってから1カ月を迎える。州内の感染者は約24万7千人に上り、死者は1万4千人を超えているが、医療体制の整備を急ピッチで進めた結果、医師が患者の命を選別するという「医療崩壊」といった最悪の事態は回避できている。

 ニューヨーク州のクオモ知事は20日の記者会見で、19日の死者が478人となり、6日連続で減少したことを報告した。入院患者数も4月半ばのピーク時は1万9千人近かったが、3日間の平均値で1万6千人台にまで減少。新規の感染者数も4726人で、この1カ月間で最小となり、クオモ氏は「感染のピークを越えた」可能性を指摘した。

 同州は20日、無作為に選ばれた住民3千人を対象に、ウイルスの抗体検査を始めたと発表。人口の何%の人が感染しているか現状を調べて、外出制限の緩和時期などの判断材料とする方針で、同州のコロナ対策の焦点は医療危機から経済再開へと移っている。

 感染者数ではイタリアやスペインを上回るニューヨーク州で、両国のような医療崩壊が起きていないのは、最悪のケースを想定しつつ、医療態勢を短期間で拡充させたことにある。

 クオモ氏は3月半ば、現状の病床数は5万3千床、人工呼吸器の保有数は5千~6千台と説明。その上で感染の予測モデルを示し、ピーク時には病床数が最大で11万床、人工呼吸器は新たに3万台が必要になると主張し、連邦政府などに繰り返し支援を呼びかけた。

 人工呼吸器については、医療現場で1つを2人の患者で使用したり、麻酔機を代用したりする取り組みを開始。苦肉の策でしのぎながら、3月末には、連邦政府の備蓄分から4千台を確保。また、中国の巨大IT企業、アリババ集団の共同創業者から千台の寄贈を受けるなどした。

 各病院には病床数を2倍に増やすよう要求。展示場などにそれぞれ数千床置いた臨時の病院を開き、3月末には米海軍の病院船「コンフォート」がマンハッタンに到着した。テニス全米オープンの会場も臨時病院とし、ピーク時に備えた。

 米メディアによると、州政府は、人工呼吸器、病床数ともに当初の2倍以上を確保したとみられる。

 だが、実際には外出制限などの効果が出て、予測モデルよりも早い段階で入院患者数は頭打ちとなり、人工呼吸器を必要とする集中治療室の患者数は約5千人にとどまった。人工呼吸器の備蓄を抱えるニューヨーク州は16日、隣接するニュージャージー州に100台を送ると発表するなど、他州への支援も始めている。

 トランプ大統領は「連邦政府が用意した数千の病床や、人工呼吸器をニューヨーク州は活用していない」と州政府が需要見込みを誤ったと批判したが、迅速な対応には一定の評価が集まっている。

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