西村康稔経済再生担当相は2日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた緊急事態宣言の延長をめぐり、東京都の小池百合子知事、大阪府の吉村洋文知事とテレビ会議形式で意見交換した。西村氏は政府が全国を対象にした宣言の延長を決める4日に合わせて、経済活動再開に向けた基本的な考え方を示す方針を明らかにした。
東京と大阪は人との接触削減など行動変容を強く求める「特定警戒都道府県」に指定されている。
意見交換では、宣言解除への「出口戦略」が焦点の1つになった。吉村氏は、医療提供体制を基準とする「大阪モデル」を作る考えを明らかにした上で、国が客観的な基準を示すか、病床の空き状況など地方独自の基準を尊重するよう求めた。
西村氏は記者会見で、「それぞれの地域の事情があるし、統一的にやってもらわなければならないことがある」と指摘。「国としては、さまざまな観点から、どういった指標を見ながら、どういったことを考えるのか、基本的な考え方を示したい」と説明した。
宣言の解除にあたっては、新規感染者が激減することや、重症者向けの病床確保などが目安になるとみられる。
一方、小池氏は意見交換で、「この機会を逃さず社会変革につなげてほしい。(新型コロナ対策は)知事に委ねる部分を大きくしたほうが効果が上がる」と述べた。9月入学制の実現や家賃支援のほか、国がコロナ対策として行う地方への給付金について財政的に余力がある大都市を減額しないよう求めた。
これに対し、西村氏は「それぞれの知事が適切に判断してやりやすいようにできるだけサポートしていきたい」と応じた。また、「(新規感染者数が)一定ラインの下に来れば、濃厚接触者を特定して抑え込める」と述べ、自治体側の協力を呼びかけた。