【北京=三塚聖平】中国商務省は8日、劉(りゅう)鶴(かく)副首相が同日午前に、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表、ムニューシン米財務長官と電話会談を行ったと発表した。1月に米中両政府が署名した「第1段階」の貿易協定について、実行に向けて条件を整える意向を米中双方が表明。意思疎通と協調を保つことで合意した。
中国商務省の発表によると、米中双方はマクロ経済と公衆衛生分野での協力を強化すべきだとも表明したという。
劉氏とライトハイザー氏は、米中貿易協議の交渉責任者をそれぞれ務めている。両者が公に協議を行うのは、第1段階合意に署名した1月中旬以来とみられる。
第1段階の合意は、中国側が米製品の輸入を2年で計2千億ドル(約22兆円)増やすことが主な柱だが、新型コロナウイルスの直撃で合意内容の実現可能性が低下したという見方もある。また、新型コロナへの対応をめぐり米中間の対立が激しくなっている。