新型コロナウイルスの感染拡大で疲弊する県内状況を打開しようと、山形県は13日、各分野の団体や市町村、地元選出の国会議員らからなる「新型コロナ克服・創造山形県民会議」を設置、第1回会議を県庁で開いた。
県医師会の中目千之会長は、県内の状況を「いまは小康状態にある。こういうときは経済を復活させる方向に舵を切る時期。なぜなら、いずれ第2波、第3波が来る」と述べ、感染拡大が小康状態にあるいま、県内経済の立て直しのための政策を取る必要性を訴えた。
会議で参加者は各業界の状況をもとに提言。県観光物産協会の平井康博会長は「営業自粛で売り上げはゼロ。危機的状態だ。雇用を守りたいが、企業がもたない」と訴えた。山形大学の玉手英利学長は学生の生活支援のほか、県内企業の採用増、「3密」を避けるため高校生に地元大学への進学を促すことなどを提案した。
また、JA山形中央会の長沢豊会長は「農業の労働力不足を(県内の他分野から)確保したい」。連合山形の小口裕之会長は、県が設置した新型コロナ対策応援金に「組織として結集したい」と述べ、寄付を呼びかけることを約束した。
会議では、県選出の国会議員もテレビ会議で東京から参加。鈴木憲和衆院議員は「不足するマスクは県費で購入し県民に配布しよう」。加藤鮎子衆院議員は「今後、第2、第3の新型コロナが来る。地震などで防災訓練をやっているように、新型コロナの対応訓練を始めよう」と提言した。
県は、この日に出た意見や提言をまとめ、6月県議会に諮る考え。