【ソウル=桜井紀雄】韓国の防疫当局は18日、新型コロナウイルスの感染症が完治しながら再陽性と判定された人について、他の人に感染させる恐れはないとの分析結果を明らかにした。韓国では再陽性判定が400人を超えるなど再陽性事例が相次ぎ、完治後も再検査や2週間の自主隔離を求めてきたが、19日からは完治すれば、すぐに仕事などの日常生活に戻れるよう指針を改める。
再陽性は日本を含め、別の国でも発生しており、他の国の対応策にも影響を与える可能性がある。
韓国では、15日現在、完治して隔離が解除された9821人の4・5%に当たる447人が完治後に再陽性判定を受けた。防疫当局が再陽性者285人と接触した790人を調査した結果、再陽性後の接触に伴う感染は確認されなかった。
接触した人の中でも3人の感染が判明したが、当局は感染源は別だと判断した。再陽性者108人の呼吸器の検体でもウイルスは培養されなかったという。
韓国中央防疫対策本部の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)本部長は「再陽性者に感染力があるという根拠は確認されなかった」と説明した。「再陽性」との用語も今後、単に遺伝物質の検出を指す「隔離解除後のPCR再検出」に改める。
新型コロナ患者の治療に当たってきた医師らでつくる韓国の中央臨床委員会は4月末、再陽性について「死んだウイルス」の遺伝物質を検出するなどした「検査エラー」によるものとの見解を示していた。