フジテレビの遠藤龍之介社長は29日、人気リアリティー番組「テラスハウス TOKYO 2019-2020」に出演していた女子プロレスラーの木村花さん(22)が死去したことについて、「番組制作の私共がもっと細かく、継続的に、彼女の気持ちに寄り添うことができなかったのだろうかと慙愧(ざんき)の念に堪えない」とするコメントを発表した。木村さんの番組での言動などをめぐって、会員制交流サイト(SNS)上で非難が相次ぎ、因果関係が指摘されていた。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って定例会見が中止となっており、フジテレビは報道各社の質問に書面で回答。テラスハウスの問題については、遠藤社長のコメントという形で発表した。
遠藤社長はコメントの冒頭、「改めて心からのお悔やみを申し上げる」と木村さんの死を追悼。そのうえで、「刻々変化する出演者の心の在り方という大変デリケートな問題を番組としてどう扱っていくか、時としてどう救済していくかということについて向き合う私どもの認識が十分ではなかったと考えている」と、現在放送中の「TOKYO 2019-2020」制作と放送中止に踏み切った事情を明かした。
今後については、「十分な検証を行っていく」と説明。SNSで出演者らへの中傷が相次いでいることも憂慮し、「そういった批判は番組を制作・放送・配信していたわれわれが受けるべきものと考えていることを申し添える」とした。
「テラスハウス」は男女6人のシェアハウスでの共同生活を映す番組。木村さんが、同居男性とのトラブルに憤ったシーンに対し、SNS上で匿名による誹謗中傷が集中。今月23日に木村さんは「毎日100件近く率直な意見。傷付いたのは否定できなかったから」などとツイートし、同日に死去した。