横田滋さん43年の戦い…早紀江さん「お父さんがやったことは間違っていなかった」





強い信念を持って活動を続けた横田滋・早紀江夫妻(C)フジテレビ

 北朝鮮に拉致された長女、横田めぐみさんとの再会を果たせないまま87年の生涯を閉じた横田滋さん。フジテレビは「横田滋さん追悼特別番組 『前略 めぐみちゃんへ』~“全身全霊”戦い続けた43年~」(関東ローカル)を13日午後1時30分から放送する。

 妻、そして“戦友”として共に戦い続けた早紀江さん。会見で気丈にこう語った。

 「いつも穏やかで、笑顔で拉致されている人のことを思い、思い残すことがないほど全身全霊で打ち込んだと思います」

 めぐみさんを救うために、まさに全身全霊で捧げた滋さんの43年を追悼特別番組として送る。カメラが入院直前まで追い続けた滋さんの映像と昨年3月に放送したドキュメンタリードラマを再編集。滋さんの知られざる思い、人生に迫る。

 その内容は、1997年に拉致問題解決への署名活動を行う若き横田夫妻。配っていたチラシを心ない人にたたき落とされる場面も。それを再び拾い、声を上げ続けた。2002年に拉致被害者が帰国した際も、ニュースで何度も報じられた映像とは別の表情が存在する。

 めぐみさんの実名を出すか否か…明らかにしようと決めたのは滋さんだった。娘の身を案じ「伏せてほしい」と訴える早紀江さんに「きちんと出して覚悟して進まなければだめだ」と説得した滋さん。夫婦の知られざる葛藤が明かされる。早紀江さんは会見で「北朝鮮のことが世界中にわかってもらった。お父さんがやったことは間違っていなかったと思います」と語った。

 滋さんを勝村政信、早紀江さんを菊池桃子が演じたドキュメンタリードラマ。早紀江さんがめぐみさんに宛てた手紙を軸に夫婦の戦いを実写と共に描いたものだったが今回、特別に再編集。病室に飾られためぐみさんの写真を握りしめ「がんばる…」と力強い言葉を発した滋さんの表情で締めくくられている。

 報道局の山岸直人プロデューサーは「講演や集会、署名活動でご多忙のなか、取材のために時間をいただき、何かお願いをしても笑顔で丁寧に接してくれた。温和で優しい滋さんでした」と感謝し、「共に活動を行ってきた人たちに滋さんの印象をたずねると、口をそろえて“信念が強い人”“勇敢な人”と。そんな強い気持ちこそが内外の世論を大きく動かし、拉致被害者家族の活動の原動力になった。優しくて強い滋さんが願い続けためぐみさん、そして拉致被害者全員の救出への強い思いをお伝えできれば」と話している。

(産経デジタル)



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