【主張】通常国会閉幕 もっと働いてもらいたい

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 通常国会が閉会した。新型コロナウイルスの感染拡大への対応に追われたが、国権の最高機関としての役割を十分に果たせたかと言えば疑問である。もっと働く国会が必要だ。

 ウイルス禍への対応で国会は新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正し、2度にわたって巨額の補正予算を成立させた。

 ただし、国会の初動が遅れた点は見過ごせない。中国・武漢で新型ウイルス感染症が爆発的に拡大していったにもかかわらず、国会冒頭の代表質問ではほとんど論じられなかった。予算委員会も当初、「桜を見る会」の問題が盛んに取り上げられたのである。

 国民の命と健康を守ることへの責任感や、世界を揺るがす問題がどう展開するかへの目測力が、国会には欠けていた。

 安倍晋三政権は、習近平中国国家主席の国賓来日にこだわるあまり、中国からの入国制限に踏み切るのが遅れた。似たような中国への忖度(そんたく)は国会にも存在していたのではないか。

 緊急事態宣言は解除されたものの、新型ウイルスの感染が急拡大する懸念は消えていない。野党は会期延長を求めたが、政府・与党は国会閉会を決めた。感染状況が落ち着いている今のうちに、国会で法改正を伴う対策を講じなくて大丈夫なのか。

 社会経済への打撃が大きかったことから、政府は再び国民に大幅な自粛を求めることには慎重だ。そうであっても、大流行への備えは欠かせない。自粛や休業を要請するだけで法的強制力を伴わない今の仕組みで危機を乗り切れる保証はない。政府や自治体、学校のデジタル化も急ぐ必要がある。

 与野党は毎週1度、新型ウイルス対策に関係する委員会の閉会中審査を開くことで合意したが、十分とは思えない。次の大波が来てから国会を開いても遅い。一日も早く、臨時国会を召集し、実効性ある対策を講じてもらいたい。

 国会の重要課題はまだある。国民投票法改正案を早期に成立させ、実質的な改憲論議に入るべきだ。中国公船による尖閣諸島周辺海域での徘徊(はいかい)は、過去最長となった。尖閣や香港、ウイグルの問題で決議一つできない国会は本当に情けない。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」導入断念を受けた防衛体制の再構築を論ずることも役割であるはずだ。

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