22日付のスペイン紙パイスは、約10年前までは4隻体制だった同国海軍の潜水艦が1隻しか稼働しなくなっていると伝えた。16世紀に「無敵艦隊」と呼ばれたスペイン海軍は、新型艦の建造遅れや2010年前後の経済危機から長期続いた国防投資凍結で困難を強いられている。
スペイン海軍は1980年代に就役した潜水艦4隻を2010年代から次世代の4隻で置き換えることを計画した。しかし重量が超過する重大な計算ミスで再設計を余儀なくされるなどして大きく遅延。新型コロナウイルスによる建造中断も影響し、1隻目の完成は22年末以降となった。
一方、現世代の4隻のうち1隻は12年に退役。寿命を延ばすため1隻が17年から抜本的な改修工事に入り、21年末まで運用できなくなっている。もう1隻の工事も想定したが、多額の費用などのため断念し、今月退役。残る1隻が稼働しているが、点検や乗組員の休暇の間は運用ゼロとなる。(共同)