ソフトバンク機密情報漏洩事件 露通商部元幹部を不起訴処分 東京地検


 在日ロシア通商代表部の幹部職員の求めに応じ大手通信会社「ソフトバンク」元社員が機密情報を持ち出したとされる事件で、情報を入手するよう唆したとして、不正競争防止法違反の教唆容疑で書類送検された同部のアントン・カリニン元代表代理(52)について、東京地検は2日、不起訴処分とした。

 地検は不起訴の理由について、「本人がすでに出国済みで、再入国の見込みがないことなどを総合的に考慮した」としている。

 捜査関係者によると、カリニン元代表代理はロシア対外情報庁(SVR)のスパイで、ソフトバンク元社員の荒木豊被告(48)=同法違反罪で公判中=と平成29年秋ごろから飲食を重ねて関係を構築。情報の機密性に応じ、最大20万円の報酬を手渡していたとみられる。

 外交特権を持っていたカリニン元代表代理は、警視庁の出頭要請に応じず今年2月に日本を出国。同庁は5月、平成30年11月に首都圏の飲食店で荒木被告に機密情報の不正入手を唆した疑いで書類送検していた。



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