【主張】南九州の豪雨 避難と接触をためらうな

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 列島沿いに停滞する梅雨前線の影響で九州南部は4日、激しい雨に襲われた。熊本、鹿児島の両県では土砂崩れや河川の氾濫による住宅の浸水などの被害が相次いだ。

 安否が確認できない住民、浸水で孤立状態になった地域もある。国と自治体は、安否不明者の確認と救出活動、被災地域と住民の安全確保に総力を挙げなければならない。

 気象庁は4日午前、これまでに経験のないような大雨になっているとして、両県の自治体に大雨特別警報を発表した。特別警報は解除されたが、昨年の台風19号被害では、降雨のピークを過ぎてから河川の氾濫が起きた。引き続き河川氾濫や土砂災害への警戒を続ける必要がある。

 気象庁によると、梅雨前線はしばらく停滞し続け、8日ごろには前線の活発化により西日本と東日本で大雨になる所がある。

 記録的な豪雨に襲われていない地域でも梅雨に入ってからの雨で地盤が緩み、流域の総雨量が蓄積されている。

 九州南部に限らず、中四国、近畿、東海、北陸、関東にかけての広い範囲で、土砂災害や河川氾濫のリスクは高まっている。

 2年前の西日本豪雨では、線状降水帯による豪雨が同時多発的に河川氾濫や土砂災害を引き起こして広域災害となった。近年の豪雨災害を教訓に、命を守るための備えと覚悟を新たにしたい。

 自分の住む地域の災害リスクを再確認する。そのうえで、災害リスクが高まると予想されるときには、早い段階で避難など安全確保行動を開始することが大事だ。

 新型コロナウイルスの感染者が再び増加傾向にある。多くの人に避難所への移動を避ける意識が働くことも予想される。

 避難所の感染症対策は最善を尽くさなければならない。重症化が命にかかわる高齢者らを守る手立ても必要だが、感染を恐れて避難行動や人との接触をためらってはならない。

 土砂災害や洪水、津波も含めて水の猛威から命を守る手立ては、避難以外にはない。家族はもちろん、地域の人たちと寄り添うことが災害を乗り切る力になる。

 災害時には、コロナ禍で根付いた「移動」と「接触」を極力抑える意識を払拭しよう。

 人は動き、助け合わなければ、命を守ることはできない。

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