熊本県、事前のPCR検査要請を検討 豪雨応援職員コロナ感染





多くの住民が身を寄せる避難所はパーテーションで仕切られていた=7月10日午後、熊本県人吉市(渡辺恭晃撮影)

 豪雨対応で熊本県に派遣された香川県の30代男性保健師が新型コロナウイルスに感染したことを受け、熊本県が今後、県外の応援職員に事前のPCR検査を求めることを検討していることが14日、同県への取材で分かった。

 熊本県によると、保健師は避難所で被災者の健康観察などを行うため、8日に九州新幹線で熊本入りし、11日まで熊本市のホテルを拠点に活動。常にマスクを着けていたが、不特定多数の被災者らと接していたことから、高松市に戻った後、PCR検査を受けて13日に陽性が判明した。

 保健師と接触した可能性のある避難者は約400人。15分以上接触した避難者はおらず、被災者へのPCR検査でこのうち196人は陰性だった。熊本県は残る避難者の検査を続け、新たな希望者も調べる。

 同県は今年5月、国がコロナ対策を盛り込んだ防災基本計画の改定を受け、避難所でのコロナ対策のマニュアルを策定。しかし、他の自治体からの応援職員に感染者が出た際の具体的な対応策は盛り込んでいなかった。担当者は「県外からの応援なしでは復旧は進まない。過剰に反応せず、感染対策をきちんと進めたい」と話した。

 一方、保健師が訪れた熊本県内の避難所では急遽(きゅうきょ)、希望者にPCR検査を行うなど対応に追われ、被災者からは不安の声も漏れた。応援職員らは復旧に向けて、人手不足に悩む各地の避難所を支えており、被災地は感染症対策と受援体制の両立にジレンマを抱えている。

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