検察トップの検事総長に17日付で就任した林真琴氏(62)が同日、東京・霞が関の最高検で記者会見し、「全国の検察庁の職員が職責を十分に自覚して使命感をもって職務に取り組むよう、検事総長として全力を尽くしていきたい」などと抱負を語った。
東京高検検事長だった黒川弘務氏が賭けマージャンをしていたと報じられ辞職した問題については「国民の信頼を揺るがす事態になった」と改めて陳謝した。
林氏は大阪地検特捜部の証拠改竄(かいざん)事件が平成22年に発覚後、最高検などで検察改革を指揮した。改革は「続いている」とした上で「(自らも制定に関わった)『検察の理念』に照らし、日々の検察権を行使する中で(改革を)実現していく」と述べた。政治と検察の関係性については、「厳正公平、不偏不党であるべきだ」と強調した。
林氏は愛知県出身で、東大法学部を卒業後、昭和58年に検事任官。法務省で人事課長や刑事局長など要職を歴任した。黒川氏が辞職した今年5月から東京高検検事長を務めた。ヨガをすることが日課という。
また、検事総長を勇退した稲田伸夫氏(63)も同日会見し、後輩検事らに「変化する時代や社会に対応し、国民が検察に寄せる期待に十分に応えていってくれるものと確信している」とエールを送った。