京都アニメーション放火殺人事件から1年となった18日、犠牲になった社員約20人の遺族有志が、代理人弁護士を通じてメッセージを発表した。「今も消えることのない愛しい家族への思いと、立ち上がることができないほどの悲しさを感じている」と明かしたうえで、事件発生時から救出救命活動に尽力した消防や医療関係者、京アニを応援してきたファンなどへの感謝の気持ちをつづった。
メッセージは匿名で出され、1400字以上に渡った。
事件発生後、国内外のファンから数多くの支援が寄せられた点に触れ、「故人が働いていた作品が広く深く愛されていたことを改めて知らされた。携わった仕事を誇りに思い、心の支えになった」と感謝した。
現在の状況を「それぞれの遺族はそれぞれの悼み方で故人をしのび、手を携えながら痛みを乗り越えようとしている」としたうえで、「今は遺族などで悲しみを分かち合い、静かに祈りをささげたい。そっと見守ってほしい」と訴えた。
最後に、志半ばで理不尽に命を奪われた犠牲者らに思いをはせ、「さぞ心残りだったと思うが、きっと空の上から私たちを見守ってくれていると思う。アニメーション制作に情熱を注ぎ歩もうとした道を、私たちはこれからも見つめていく」と結んだ。
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遺族有志が発表したメッセージは以下の通り(原文ママ)。
本日、事件から一年が経過し追悼行事が執り行われたことに際し、遺族有志よりご挨拶を申し上げます。このたびの事件は、アニメーション制作に真摯に向き合ってきた私たちの亡くなった家族にとって本当に無念であったことと思うと、私たち遺族は、今も消えることのない愛しい家族への思いと、立ち上がることができないほどの悲しさ、寂しさ、虚しさ、悔しさを感じています。しかし、最初に今回の事件に関わった多くの方々に感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。