グテレス国連事務総長は18日、オンラインで演説し「70年以上前に世界の頂点に立った国々が、国際機関の力関係の転換を要する改革を拒んでいる」と述べ、大国が不平等解消に取り組んでいないと批判した。国連安全保障理事会の5常任理事国を念頭に置いているとみられ、異例の発言。
南アフリカで反アパルトヘイト(人種隔離)闘争を率い、2013年に死去したマンデラ元大統領の誕生日である18日に合わせ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を巡る国際社会の不平等をテーマに演説した。
グテレス氏は、変革が必要な例として「安保理の構成や投票権」を指摘。「不平等の解消は国際機関の改革から始めなければならない」と訴えた。安保理が、拒否権を独占する米英仏ロ中の5常任理事国に牛耳られ、機能不全に陥りがちな現状を問題視したもようだ。(共同)