マーサ三宅(87)が前田憲男と2人で昭和52年に録音したアルバム「PORTRAIT to Sincerely yours」が、40年以上の歳月を経て初めてCDになった。
三宅は日本のジャズ歌手の草分け。前田はテレビでも活躍したジャズピアニスト。大物同士のデュオだが、56年にインディーズレーベルからLPレコードとしてごく少量販売されただけで市場から姿を消し、幻の作品となっていた。
平成30年に前田が亡くなり、三宅がCDでの復刻を企画。元の録音テープはなかったが、残っていたレコードから音を採取した。
三宅は「私たちが一生懸命演奏していた頃のサウンドを、そのまま切り取ったような“忘れ形見”。二度と実現できない良き時代の臨場感がある」としている。