熊本県南部の豪雨で入所者14人が犠牲になった球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」が事業再開を断念し、職員の大半を解雇することが27日、運営法人側への取材で分かった。現地は洪水で再び浸水する恐れがあることや、移転先の土地を確保できる見通しも立たないためという。
法人側弁護士によると、入所者は他の施設への転居などが進み、現在は0人。施設側は職員88人の約9割を今月末にも解雇する方針で、残りの職員が遺族や元入所者の対応に当たるという。弁護士は「職員の多くも被災した。失業保険が生活再建の支えになれば」と話している。
千寿園では4日朝、職員らが入所者を2階に避難させている最中に1階が水没。約50人が救助されたが、14人が亡くなった。