幻の記録更新、実感なき景気回復…消費税増税2度の延期で後退期に実施

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JR東京駅前を歩くマスク姿の人たち=28日午後

JR東京駅前を歩くマスク姿の人たち=28日午後

 平成24年12月から始まった景気拡大が30年10月に終わり、政府が当初「戦後最長」の可能性を指摘していた記録更新は幻となった。景気拡大中は第2次安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」で、株価や企業業績が回復したが、所得や個人消費は過去の景気拡大期ほどは伸びず、実感が乏しかった。2度にわたる延期の末、結果として景気後退期だった昨年10月に消費税増税を実施した政府の判断も問われそうだ。(大柳聡庸)

 「戦後最長になったとみられる」。昨年1月、当時の茂木敏充経済再生担当相(現外相)は記者会見でこう述べた。この時、政府は月例経済報告で雇用や所得の改善などを背景に「景気は緩やかに回復」としていた。だが、米中貿易摩擦などを背景に輸出の判断を「弱含んでいる」に下方修正。景気後退の影はこの時点で既に見え始めていた。

 今回の景気拡大の起点は第2次安倍政権が誕生した24年12月。日本銀行の異次元の金融緩和が円安をもたらし、輸出増を背景に企業業績が伸びて株価も回復した。ただ、規制改革などによる成長戦略は遅れた。

 政権発足直後の25年1月の完全失業率4・2%に対し、令和2年5月は2・9%に改善。しかし、パートなど非正規労働者はこの間、218万人も増加している。

 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長の試算によれば、今回の景気拡大期の雇用者報酬の年平均伸び率は2・1%。「バブル景気」(昭和61年12月~平成3年2月)の6・7%などと比べ大きく見劣りする。個人消費の伸びも、物価変動の影響を除いた実質で今回の景気拡大期は年平均0・4%と、バブル景気の4・4%を下回る。

 消費税増税の時機を見誤った感も否めない。政府は平成27年10月だった税率10%への引き上げを景気への配慮から、29年4月に先送り。その後、リーマン・ショック前の状況と似ているなどとして再延期した経緯がある。結果として景気拡大期の増税を逃した。

 斎藤氏は消費税増税について「(増税の)タイミングは別として、個人消費の実力からすると無理があった」と指摘した。

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