29日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=104円81銭と、約4カ月半ぶりの円高水準を付けた。米国の景気回復が遅れるとの懸念や、株価下落を背景に、相対的に安全な通貨とされる円がドルに対して買われた。
午後5時現在は前日比81銭円高ドル安の1ドル=104円81銭~83銭。ユーロは44銭円高ユーロ安の1ユーロ=123円25~29銭。
米中対立の激化や、米国での新型コロナウイルス感染拡大に加え、米国の新たな経済対策の成立が与野党の対立で遅れるとの見方が、ドル売り円買いの材料となった。28日のニューヨーク外国為替市場で一時1ドル=104円台を付けた流れを東京市場も引き継いだ。
市場では「国内の株安で、リスク回避のムードが漂った。ただ値頃感が出たドルを買う動きもあり、104円台を付けて以降は円買いが一服した」(外為ブローカー)との声があった。