内閣官房参与に高橋洋一氏ら6人任命


内閣官房参与に高橋洋一氏ら6人任命

 政府は13日、元財務官僚で嘉悦大教授の高橋洋一氏ら6人を、同日付で内閣官房参与に任命したと発表した。高橋氏は菅義偉首相やその経済ブレーンの竹中平蔵パソナグループ会長と近く、財務省に批判的な立場でも知られる。大規模な財政出動の必要性とともに増税不要論を一貫して主張しており、財政規律を重んじる財務省にとっては「逆風」となりそうだ。

 高橋氏は1980年、旧大蔵省(現財務省)入省。小泉純一郎内閣で総務相だった竹中氏の補佐官として郵政民営化などを推進した。2006年に内閣参事官に就き、当時総務相だった菅氏が創設を表明したふるさと納税の制度作りに携わった後、08年に退官した。リーマン・ショック後の09年には、自民党選挙対策副委員長だった菅氏が設立した「政府紙幣・無利子国債の発行を検討する議員連盟」の初会合で講演するなど、菅首相とは浅からぬ縁がある。

 財政再建には増税よりもムダな歳出カットが優先との考えから、古巣の財務省を「埋蔵金を隠している」などと徹底的に糾弾する姿勢でも有名だ。第2次安倍政権が進めた大規模な金融緩和や機動的な財政出動の理論的支柱となった「リフレ派」の学者の一人にも数えられている。古巣を顧みるどころか、対決姿勢を鮮明にするOBが政権中枢で首相の助言役を務めることに、財務省内では「困ったものだ……」(幹部)とため息も漏れる。

 内閣官房参与は首相に政策的助言を行う非常勤の国家公務員。高橋氏のほか、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーの岡部信彦・川崎市健康安全研究所長▽IT総合戦略本部員の村井純・慶応大教授▽大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミスト▽経団連の中村芳夫顧問▽キヤノングローバル戦略研究所の宮家邦彦研究主幹の各氏が任命された。【和田憲二】



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