黒人男性に「脅された」と通報の女性、2度電話していた=NY検察


黒人男性に「脅された」と通報の女性、2度電話していた=NY検察

米ニューヨークのセントラルパークで黒人男性に脅されたと虚偽の通報をしたとして7月に訴追された、白人のエイミー・クーパー被告(41)が当時、2度にわたって通報していたことが明らかになった。検察が14日に公表した。

クーパー被告は14日、ニューヨーク・マンハッタンの刑事裁判所での公判にリモートで臨んだ。

マンハッタン地区検事のサイラス・ヴァンス氏は14日の声明で、「我々は虚偽の人種差別的な911番通報(日本の110番通報に相当)をする人々に責任を負わせる」と述べた。

クーパー被告は罪状認否を行わなかった。

虚偽通報で有罪となれば、最大で禁錮1年の刑が言い渡される可能性がある。

■2度目の通報

検察はこれまで明らかになっていなかった2度目の通報について詳細を公表。クーパー被告は、黒人男性クリスチャン・クーパー氏(57、被告とは血縁関係がない)が「暴行しようとしてきた」などと繰り返し訴えたという。

「エイミー・クーパーは、これまで明らかになっていなかった2度目の911への通報で、黒人男性が暴行しようとしてきたと嘘の主張をし、人種差別な犯罪行為を行った」と、ヴァンス検事は述べた。

「幸いにも、(エイミー・)クーパーのでっち上げで警察が出動した際、死傷した人は誰もいなかった」

■何があったのか

クーパー被告は5月25日、セントラルパークを飼い犬にリードを付けずに歩いていたところ、クリスチャン・クーパー氏から声をかけられた。この時2人がいたのは、犬に常にリードをつけるよう規制された「ランブル」と呼ばれるエリア内だった。

クリスチャン氏はニューヨークのバードウォッチング・コミュニティで著名な人物で、鳥を怖がらせないよう、被告に犬にリードを付けるよう頼んだ。しかし被告が拒否したため、やりとりを撮影した。

クリスチャン氏によると、被告を説得するために犬におやつを与えたという。

すると、クーパー被告はその場で、「私はランブルにいる」、「男が、アフリカ系アメリカ人がいて、自転車用のヘルメットを持って私のことを撮影している。私と犬を脅している」、「ランブルで男に脅されているからすぐに警官を出動させてください!」と通報した。

動画には、クーパー被告がクリスチャン氏に対し、「アフリカ系アメリカ人の男が私の命を脅かしている」と警察に通報すると脅す様子や、被告が犬の首輪を引っ張り上げ、犬の前足が宙に浮いて首が絞まっているような様子が映っていた。

この動画は拡散され、人種差別的だとの声や、動物虐待ではないかとの非難の声が上がった。

翌日、被告は勤務先の投資会社から「人種差別」を理由に解雇され、犬は保護施設に保護された。

その後、クーパー被告は公に謝罪した。

クリスチャン氏のきょうだいのメロディ・クーパー氏は、「常に犬をリードにつないでおかなければならないと明確に表記されているニューヨーク・セントラルパーク内の有名なエリアで、犬にリードをつけずに散歩している人がいると、私のきょうだい(熱心なバードウォッチャー)のような人が丁寧にお願いすることになる」とツイートした。

https://twitter.com/melodyMcooper/status/1264965252866641920

クーパー被告は駆けつけた警官に対し、クリスチャン氏と身体的接触はなかったと認めた。

クリスチャン氏は14日、「警察の取り締まりを改善し、あの事件で目の当たりにしたような制度的人種差別に対処することに引き続き」注力していくと米CNNに述べた。

この事件と同じ日には、米ミネソタ州ミネアポリスで武器を持たないアフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイドさんが白人警官に首を圧迫されて死亡しており、アメリカ各地や世界中での人種差別に抗議するデモに発展した。

(英語記事 Central Park woman made ‘second racist call’)





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