重い障害児を育てる親は、わが子をカメラに収める余裕もなくなりがち。思い出を形に残す手助けをしようと、北九州市の社会福祉士、上原藍さん(38)が家族写真を撮影するボランティア団体を立ち上げた。自身も障害のある娘がいる母親の一人。家族の気持ちに「きめ細かく寄り添う」支援を目指し、11月から活動を本格化する。
【写真】兄、弟とカメラに納まった4歳ごろの上原颯希さん
8月に設立した団体名は「muikku(ムイック)」。フィンランド語で「ハイ、チーズ」の掛け声を意味するだけなく「無垢(むく)と掛けた」と上原さんは言う。「混じり気のない素直な気持ちで、家族のありのままの姿を撮りたくて」。短大で写真を学び、卒業後は一時、写真店に勤めていたカメラマンでもある。