(CNN) フィンランド航空は同国バンター市のスーパーマーケットで、ビジネスクラス用の機内食に着想を得たとする調理済みの料理を販売する新たな事業をこのほど開始した。
写真特集:フィンランド航空が「機内食」を発売
同市内のスーパー「Kシティマーケット」に登場するのは、トナカイの肉だんご、イワナの燻製(くんせい)料理、キノコのリゾットや他のフィンランド料理。現代的な北欧料理に日本料理の趣向も融合させたメニューと宣伝している。
販売開始後の2週間での店頭価格は12.90ユーロ(約1600円)、前菜は5.90ユーロと設定。同航空で機内食を担当する副社長はCNNの取材に、売り出してからの数時間で100食が売られたと述べた。
副社長によると、この事業は新型コロナウイルスの影響で空の旅の機会が減った同国民の機内食への関心を満たすと同時に、一時解雇した一部の料理人を呼び戻すのが狙い。約10人を再雇用したという。
事業開始に備え、最初は社員向けの販売を実施し人気を得たため同スーパーに取り扱いを打診していた。
販売開始は今月15日で、今後はフィンランド全土のKシティマーケットの他、海外での売り込みも計画している。副社長は提供する料理は誇り得る水準に達していると強調した。
毎日提供するメイン料理は2種類あり、各週末には選択に応じて前菜も用意。メニューは2週間ごとに変えるとしている。
新型コロナによる打撃で旅客需要の激減に直面する世界の民間航空業界では生き残りのための対応策をあれこれ講じている。オーストラリアのカンタス航空は747型ジャンボ機で使っていた酒類を搭載したカートやファーストクラス用のパジャマなどを売り出し、全て完売したという。