(CNN) 期日前投票を行おうとする人の長い列を見たり、不在者投票用紙を申請する有権者の数が多いことを示す統計を読んだりしたかもしれない。
それでも、期日前投票や不在者投票の数字を読み解いて、共和党のトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領のどちらが大統領選を制すのか理解しようとするには注意が必要だ。
世論調査から今年の大統領選は本選前に投票する人の数が過去最高となる可能性があることが示されている。
問題は、同じ世論調査で、期日前投票を行う予定のバイデン氏の支持者とトランプ氏の支持者の割合に大きな違いがあることだ。バイデン氏の支持者のほうがはるかに期日前投票を行う可能性が高い。
ABCニュースとワシントン・ポスト紙が9月に行った調査によれば、バイデン氏の支持率は期日前投票で36ポイント、トランプ氏を上回っている。一方、本選当日に投票するとした人の中ではトランプ氏が19ポイントのリードを見せた。
問題は、期日前投票が投票全体よりもどの程度、民主党寄りになるのかわからないことだ。新型コロナウイルスが感染するなかでの期日前投票について記録がない。さらにいえば、一部の州で党派別の投票がわかるだけで、誰に投票したのかはわからない。
本選当日の投票は期日前投票と同様に重要だ。
2016年の大統領選では民主党候補だったクリントン元国務長官は重要州のフロリダとノースカロライナで期日前投票では得票数が上回っていた。
しかし、トランプ氏は本選当日の圧倒的な得票でフロリダとノースカロライナを獲得した。
今年もフロリダ州で同様のことが起こる可能性がある。フロリダ州では共和党支持者よりも多くの民主党支持者が投票を行っている。一方、共和党支持者は本選当日を待っているようだ。
ABCニュースとワシントン・ポスト紙の9月に調査によれば、バイデン氏リードでも、トランプ氏がフロリダ州で勝利するシナリオと合致する。全体的な支持率ではトランプ氏が51%、バイデン氏が47%だが、期日前投票ではトランプ氏が28ポイント後れを取っている。
しかし、本選当日に投票すると答えた人ではトランプ氏が56ポイントのリードを見せている。
期日前投票の統計が無意味だというわけではない。そこから読み取れるのは世論調査が正しい方向を向いているようだということだ。かつてよりも多くの人が期日前投票を行っており、そうした傾向は民主党員に強い。さらにいえば、トランプ氏が郵便投票を非難する発言をしていることで共和党員が郵便による投票をさけているようにみえることも強く示唆している。