衆院議員の任期が、2021年10月21日の満了まで1年となった。26日に臨時国会が召集されるなど早期解散論はしぼみつつあるが、京都府内の6小選挙区では20日現在、毎日新聞の調べで17人が次期衆院選への立候補を予定。与党側は、菅義偉内閣の支持率が発足直後の高水準から下がりきらないうちに、早期解散を望む声がくすぶる。一方、野党側は新「立憲民主党」に参加せず、新「国民民主党」に残留した前原誠司元外相の存在が大きく、野党共闘の先行きにも不透明さがただよう。
自民党は前回17年衆院選で、府内の小選挙区の候補者が比例復活を含め、05年以来12年ぶりに全員当選を果たした。次期衆院選は現有議席の維持が「至上命令」と言え、特に小選挙区で敗れた2、3区と激戦となった6区の3選挙区が重点区となりそうだ。
ただ、高い支持率でスタートした菅新政権が、日本学術会議から推薦された新会員候補6人の任命拒否問題でつまずきを見せるなど、不安要因も現れ始めている。臨時国会では野党側からの追及も予測される中、自民党内からは「支持率がずるずる下がる恐れもある」と早期解散を願う声も聞こえてくる。
野党側は、旧立憲と旧国民などによる合流新党「立憲民主党」が9月に結党され、府内でも代表選に立候補した泉健太政調会長(旧国民)ら3衆院議員が所属する。ただ、前原氏は新しい国民民主への参加を決め、旧民主系の分裂は継続した。
野党共闘での最大の焦点は、共産党との連携だ。府議会や京都市議会で第2会派を占めるなど府内で一定の支持を集める共産は、1区の穀田恵二氏を「野党統一候補」として求めているが、特に前原氏は否定的とされる。立憲府連会長も務める泉氏は「前原氏と基本的な政治の方向性は一緒だ」と連携に期待を寄せるが、共産と前原氏との間で「股裂き」となる可能性が高い。
更に、日本維新の会の存在が複雑さに拍車を掛ける。前原氏は維新が推進する「大阪都構想」に賛同するなど、維新との関係構築が目立っている。維新は現在、府内で3区のみに現職を有するが「一人でも多くの候補者を立てたい」としており、前原氏の動向が野党側の構図に影響を与え、最終的には選挙戦の行方を左右する可能性をはらむ。【小田中大】