[ラスベガス/ワシントン 19日 ロイター] – トランプ米大統領は19日、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策チームの一翼を担う国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長を「最悪」と酷評し、ファウチ氏の提言に従っていれば「米国では50万人の死者が出ていただろう」と述べた。
トランプ氏はこの日、15日後に迫る大統領選に向けた選対との電話会議で、選挙で勝利する道はまだ残されていると述べ、スタッフを鼓舞した。さらに、前回の大統領選よりも好調と感じていると強調、内部抗争を巡る報道は「うそだ」と否定した。会議には記者団の参加が認められた。
しかし、トランプ氏は会議の途中でファウチ氏に対する不満を噴出。「米国民はコロナ制限措置、そしてファウチ氏や全ての愚か者の話を聞くことにうんざりしている。ファウチ氏は良い人だが、500年もこの世に存在している」と冷やかした。
また、マイナスの反応に配慮し、ファウチ氏の解任を避けたとも示唆した。
ファウチ氏は1984年から国立アレルギー感染症研究所の所長を務め、米国で最も高い評価を受ける科学者の一人。新型コロナを軽視するトランプ氏とたびたび意見が対立してきた。
ファウチ氏側はコメント要請に応じていない。
ファウチ氏は18日に放映されたCBS「60ミニッツ」とのインタビューで、トランプ陣営の選挙キャンペーン動画に自身の発言が使用されていることに苛立ちを表明。さらに、トランプ大統領のコロナ感染は驚きではなかったと語った。
一方、共和党のラマー・アレクサンダー上院議員は声明で、「ファウチ氏はわが国で最も名高い公務員の一人」と同氏を称え、「より多くの米国民が彼の助言を聞き入れていれば、感染者は今より少なく、学校や職場に行くのも、外食するのもより安全だっただろう」と述べた。
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