使い捨てコンタクトの空ケースをリサイクル 実は高品質 大阪・吹田市が回収箱


使い捨てコンタクトの空ケースをリサイクル 実は高品質 大阪・吹田市が回収箱

 使い捨てコンタクトレンズを取り出した後の空ケースをリサイクルに回そうと、大阪府吹田市は市役所など8カ所に回収ボックスを設置した。ケースの素材は高品質なプラスチックにもかかわらず、大半がゴミになっているとみられており、市は「ゴミ削減と環境問題への意識を高めるきっかけになれば」と協力を呼びかけている。【三角真理】

 ◇HOYA事業部門と協定

 市がHOYAアイケアカンパニーと、空ケース回収のための協定を結んだ。アイケアカンパニーは、コンタクトレンズ販売店「コンタクトのアイシティ」を運営するHOYAの事業部門。

 同社によると、使い捨てコンタクトレンズのケースは、熱に強いポリプロピレンを使用。再生すると自動車部品や家電製品の一部、エアコン室外機の台などに活用できるといい、同社は2010年から空ケースのリサイクル活動を続けている。

 しかし、活動が使用者に浸透していないのが実態だ。同社は全国のコンタクトレンズ使用者(約1600万人)のうち9割以上が「使い捨て」を使用していると推定。しかし、空ケースが多く出る「1日使い捨て」の場合で「空ケースの回収率は1%に過ぎず、年間約5000トンがゴミとなっているとみられる」(同社)という。

 吹田市は、同社から提供された回収ボックスを市役所のほか、JR吹田駅前の市パスポートセンターなど市内の駅近くの公共施設に設置。今後も増やしていくという。

 持ち込む際の注意点について、同社の担当者は「空ケースはアルミシールを完全にはがしてください。保存液の成分は生理食塩水に近いため、衛生面の問題はありません。水分は切ってきてほしいですが、洗う必要はありません」と話す。どこのメーカーの空ケースでもよい。

 設置作業の様子を見ていた市の女性職員(48)は「使い捨てコンタクトを使っていますがこのような取り組みがあることを知らず、これまではゴミに捨てていました。これからは回収ボックスに入れます」と話していた。

 回収ボックスは全国のアイシティ(約330店)にも置いてある。全国でこのリサイクル活動に賛同し、回収に協力しているのは、企業593▽高校798校▽中学365校など(6月現在)。同社は、リサイクルで得られた収益を全額「日本アイバンク協会」に寄付しているという。



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