菅義偉首相は3日の米大統領選の当選者と会談するため、来年1月にも訪米する検討を始めた。日本政府は共和党のトランプ大統領、民主党のバイデン前副大統領のいずれが当選しても、早期の訪問は難しいとみている。新型コロナウイルス感染拡大で郵便投票が広く導入されたことなどで結果確定の遅れが予想されるためで、日米両政府は選挙後に具体的な日程調整に入る方針だ。
トランプ氏が初当選した4年前は、安倍晋三首相(当時)が選挙直後の11月に訪米。外国首脳で初めて会談し、その後の日米関係強化につながった。ただ、今回は米国内で感染拡大が続いているほか、投票結果を巡る混乱や法廷闘争が続く可能性もあるとされ、リスクを回避するため年内訪米は見送る構えだ。
次期大統領の就任は来年1月20日で、1月には通常国会召集も控えている。米国側の意向や国会日程の影響で、2月以降になる可能性もある。新型コロナの影響で今年に予定していた米国での主要7カ国首脳会議(G7サミット)が延期されており、こうした外交日程も勘案して調整する見通しだ。
訪米が実現すれば、9月の首相就任後初。菅氏の訪米は官房長官時代の2019年5月以来となる。トランプ氏が再選した場合は、首脳間の関係構築が急務となる。バイデン氏の当選時は、オバマ前政権時代の人脈を生かして、緊密な日米関係を目指すことになりそうだ。【加藤明子】