【ソウル時事】米大統領選で民主党のバイデン氏が勝利したことは、トランプ大統領との対話路線を進めてきた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長にとっては逆風となりそうだ。
バイデン氏がトランプ氏の路線を転換すれば、北朝鮮も対抗して、再び軍事挑発の再開など強硬的な態度に転換する可能性がある。
正恩氏は2018年の初の米朝首脳会談以来、トランプ氏と個人的親交を結んできたが、この「重要な外交資産」(外交筋)を失うことになる。逆にバイデン氏が政権発足後にオバマ前民主党政権のように非核化を優先し、対話を拒否する「戦略的忍耐」の政策を採用した場合、米朝関係は再び対立局面に戻る恐れが高い。
南北融和を最優先課題に掲げる韓国の文在寅大統領にとっても、トランプ氏の退場は痛手だ。トランプ氏の再選後に米朝対話を再開し、南北関係の行き詰まりを解消したい狙いがあったが、バイデン氏の政策次第では文氏の残り1年半の任期中にこう着局面を打開できるかは不透明だ。