阪急電鉄の大阪梅田駅(大阪市北区)で11月11日午前11時11分、車両番号が「1111」の神戸三宮行き普通電車(8両編成)が出発した。同社技術部の運用担当者がダイヤに影響しないように気をつけつつ、12個の「1並び」を実現させた。新型コロナウイルスの影響で鉄道業界には沈滞ムードが漂うが、同社は「クスッと笑って明るい気持ちになってほしい」と狙いを話す。
【写真特集】「1」がいっぱい”特別な”車両
2013年デビューの1000系で17年8月に導入された車両。同年から毎年11月11日午前11時11分、大阪梅田駅を出発してきた。運用担当者の独自の「粋な企画」で、「社内でもほとんど知られておらず、社外には宣伝してこなかった」(広報担当者)という。
だが、鉄道ファンを中心にインターネット上で徐々に知られるようになり、江崎グリコの棒状の銘菓「ポッキー」を4本並べて一緒に撮影された写真が話題に。11月11日は「ポッキー&プリッツの日」でもあり、「1111」番の車両には「ポッキー電車」の愛称がついている。
阪急では全体の車両運用に影響を与えない限り、恒例のイベントとして続けたいとしている。広報担当者は「楽しい話題を提供できればうれしい」と話した。【高橋昌紀】