「ファイザーワクチン輸送」で貴重になるドライアイス=韓国


「マイナス70」状態で保管してこそ効能が維持される米ファイザーの新型コロナワクチン。前例のない「超低温ワクチン」接種が近づくにつれて貴重な存在になっているのが「ドライアイス」だ。遺伝物質のmRNAで作られたファイザーのワクチンは温度に敏感であり、超低温状態が維持されなければ効能が消える。このためワクチンを入れて流通する保管容器にはドライアイスが入る。

11日(現地時間)の英テレグラフや英デイリーメールなど海外メディアによると、ドライアイス不足事態でワクチン普及が遅れるかもしれないという憂慮の声も出ている。米ファイザーと独ビオンテックが開発中のコロナワクチンは、来年までに国内外に13億5000万回分が供給される予定だ。ドライアイスで搬送しなければならないワクチンも初めてだが、その規模も大きい。

高麗大九老(クロ)病院の金宇柱(キム・ウジュ)感染内科教授は「簡単に説明すると、インフルエンザワクチン(プラス4度)は冷蔵室に、モデルナの新型コロナワクチン(マイナス20度)は冷凍室の温度で保管してもよいが、マイナス70度の保管・流通は初めてとなる」とし「ドライアイスがどれほど必要か予測するのも難しい」と述べた。

英バーミンガム大のトビー・ピーターズ教授はサウスチャイナモーニングポスト(SCMP)のインタビューで「これほどの超低温でワクチンを普及させる物流能力は(これまで)地球のどこにも存在しなかった」とし「新しい挑戦になるだろう」と評価した。

ドライアイスは二酸化炭素の気体を圧縮・冷却などの過程を経て固体状態にしたものをいう。新型コロナ事態で冷凍配達食品の需要が増え、ドライアイスの需要はすでに急増している状態だ。さらに封鎖措置などの影響でドライアイスを作るのに必要な二酸化炭素など物質の生産までが不足している。

世界ガス業界のニュースを提供するガスワールドによると、ドライアイスの製造・流通会社は、来年から本格的にコロナワクチンが普及し始めればドライアイスの需要が急増すると予想している。

あるドライアイス会社の社長は「食品配送用のドライアイスの需要が増え、ドライアイス不足が懸念される」と語った。別の会社の社長は「ドライアイス不足が深刻で、在庫が3時間でなくなる」と伝えた。

ドライアイスの需要急増で英国では「都市封鎖の解除後、営業を再開したナイトクラブでは煙を出す機械を見るのが難しくなるのでは」という声が出ている。煙を出す特殊効果にドライアイスが使用されるからだ。

しかし米圧縮ガス協会(CGA)側は「会員会社から把握した結果、ドライアイス生産能力はワクチン製造会社の予想需要を十分に満たすことができそうだ」と明らかにした。また、ファイザーも「ワクチンの効果的な保管と運送のために物流計画を用意した」と説明した。

航空会社は乗客と乗務員の安全を考慮してドライアイスの数量を制限している。これに関連し航空特別輸送会社フェデックスはファイザーワクチン輸送のためにドライアイスを大量に航空機に載せることができるよう民間航空規制当局の特別承認を受けた。



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