2019年6月にあった香港警察本部への抗議デモを巡り、無許可集会扇動罪などに問われた民主活動家の周庭氏(23)や黄之鋒氏(24)ら3人の公判が23日、香港の地方裁判所であった。裁判官は保釈の継続を認めず、3人は公判終了後、拘置所に勾留された。12月2日に量刑が言い渡される。
周、黄ら3氏は19年8~9月に逮捕され、その後、保釈されていた。3人はこの日、いずれも起訴内容を認めた。周氏は公判前の記者会見で「人生で初めて刑務所に収監されるかもしれず不安がある」と述べた。その上で「より困難な状況にある仲間たちのことも忘れないでほしい」と語った。黄氏は「投獄や他の強権的な手法を使っても(当局は)私たちの運動を止めることはできない」と強調した。
周氏は20年8月に「外国勢力と結託した疑いがある」として国家安全維持法(国安法)違反容疑でも逮捕され、その後、保釈された。国安法の最高刑は無期懲役。警察当局は、国安法事件でも周氏の起訴を目指して捜査を続けている。
周氏や黄氏が所属した政治団体「香港衆志」は、国安法が今年6月に施行されたことを受けて解散。2人は個人の立場で運動を続けている。【台北・福岡静哉】