
【AFP=時事】デンマークで、新型コロナウイルス対策の一環として1千万匹以上のミンクが殺処分された問題で、同国政府は27日、早急に埋められた死骸の掘り起こしと焼却を検討していると明らかにした。
【写真】重機で埋められるミンクの死骸(※ショッキングな表現が含まれます)
デンマークは世界最大のミンク毛皮輸出国で、殺処分問題は政府を揺るがすスキャンダルに発展している。
メッテ・フレデリクセン(Mette Frederiksen)首相は今月初め、新型ウイルスの変異種がミンクから検出されたことを受けた措置として、国内で飼育されている推定1500万~1700万匹のミンクの殺処分を発表。だが殺処分が始まった後、裁判所は政府の決定には法的根拠がなかったと判断。農相が引責辞任する事態となった。
さらに、死骸の処理をめぐる問題も浮上。埋められた大量の死骸が腐敗することで、周辺の土壌に大量のリンと窒素が放出される恐れが出ている。同国西部ホルステブロ(Holstebro)では今週、浅い地中に埋められていたミンクの死骸が腐敗により生じたガスにより押し上げられ、地表に出現する現象も起きた。
新農相に就任したラスマス・プレン(Rasmus Prehn)氏は27日、死骸掘り起こしと焼却への支持を表明したものの、そうした措置には環境当局の承認が必要だと述べた。
ミンクの殺処分問題をめぐっては26日、影響を受けた農場を訪問したフレデリクセン首相が政府の対応について涙を拭いながら謝罪していた。【翻訳編集】 AFPBB News