【パリ=三井美奈】冬休みシーズンを前に、イタリアやドイツが新型コロナウイルス対策のため、欧州全体でスキー場営業を見送るよう提案し、スイスなどが難色を示している。
【イラスト】感染リスクが高まる「5つの場面」
「スキー論争」の発端は、イタリアのコンテ首相が今週初めに「欧州全域でルールを定めるべきだ」と訴えたこと。感染対策で国内のスキー観光を認めない方針を示したうえで、近隣国に同調を求めた。ドイツのメルケル首相は26日、コンテ氏を支持し、「オーストリアに不満があると難しいが、やってみるべきだ」と欧州に議論を促した。
これに対し、スイス政府は26日、「わが国の状況は悪くない。感染対策をとる」として、スキー場営業を続ける方針を表明した。
イタリア、ドイツ、オーストリア、スイスはいずれもアルプスの雪峰を抱えるが、オーストリアとスイスは特に「スキー大国」として知られ、観光収入も大きい。今年2月にはオーストリアのインスブルックにあるスキー・リゾートで集団感染が発覚し、近隣国に感染が広がった。