【コラム】韓国の民主主義、まだまだだ(1)


苦労して作った陶磁器を地面に叩きつけるように、民主化運動圏政権がむしろ民主主義を叩き壊す逆説的状況だ。法治の守護者になるべき法務部長官は法で任期が保障された検事総長を引きずり下ろすことができずやきもきする。なりふり構わずあらゆる方法を動員する過程で規定と手続きを無視し、関連法まで違反した状況が次から次へと明らかになっている。猟犬として利用していたのはいつのことだったか、いまになって愛玩犬役をしないからと刀を突き付けている。

4月の総選挙で大韓民国の主権者は過半数をはるかに超える180近い議席を民主党に集めた。圧倒的議席を武器に政府与党である民主党は暴走を日常的に行っている。政府与党の実力者だという人々が吐き出す荒々しい言葉から、国民に対する礼儀と相手側に対する配慮は見つからない。誤りを指摘し問題を提起すればむしろ語気を荒らげ目を剥いてすごむ。独善と傲慢は天を突く勢いだ。

「まさかこうなるとは思わなかった」とか「他の選択肢がなかった」とか言いながら弁解をしてみてもどれも意味のないことだ。こぼれた水だ。権限を持ったら責任も負うことが主人になった道理だ。誤った選択の代価を払っていると考え、再び愚かな選択をしないと誓う方がむしろ気が楽だ。

自分たちの手で選択した政権に対する期待がいつも裏切られたため、進歩であれ保守であれ政治をする奴らはみんな同じだという言葉が出てこないわけがない。民主主義そのものに対する根本的懐疑も提起される。「民主主義はこれまで試みられた他のあらゆる政治形態を除けば最悪の政治体制」というチャーチルの言葉もあるが、民主主義はもともと不完全な制度だ。慎重に扱わなければ人を傷つける鋭い刀になりかねない。



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