「本日、新型コロナ感染症にもかかわらず、初の対面での会談を実現できたが、それは大変時宜にかなったことであり、大変有意義である」
【画像】「外部環境に左右されない日中関係を」と語る垂大使
中国の王毅国務委員兼外相は茂木外相と会談した際、冒頭でこう発言し、来日の意義を強調した。王外相は11月24日に2日間の日程で来日し、滞在中に茂木外相や菅首相らと会談。茂木外相との会談では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて制限していたビジネス関係者の往来を11月中に再開することで合意した。
菅政権発足後、中国要人として初めての来日となった王外相。関係者によると、王外相の来日は中国側が日本政府に打診したという。中国側としては、アメリカと対立する中、日本との関係強化を図る狙いがある。
しかし、こうした中国側の積極姿勢とは裏腹に、日本人の対中感情は悪化している。
11月中旬に発表された日中の共同世論調査では、中国人の日本への好感度は過去最高を記録した2019年とほぼ同水準を維持し、対日感情が改善している状況を印象づけた。一方で、日本では、中国に対する印象を「良くない」とする人が前回より5ポイント増えて89.7%に上った。私が取材で面会する中国当局の関係者らもこうした状況に非常に強い関心を持っている。
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関係者の多くが、この結果を必ず話題に上げて、「中国は日本と仲良くしたいと思っている。なぜ日本で対中感情が悪化しているのか」と尋ねてくるのだ。