
【AFP=時事】ノルウェー中央銀行は4日、同銀行の副総裁が中国籍の女性と結婚していることを理由に機密情報取扱許可を与えられず、辞任したと発表した。
【写真】中国は「民主主義と自由にとって戦後最大の脅威」 米国家情報長官
ヨン・ニコライセン(Jon Nicolaisen)副総裁は中銀が公開した声明の中で、中国籍で、中国在住の妻を経済的に支援しているという理由で、機密情報取扱許可を更新されなかったと説明。ニコライセン氏個人について適性を疑う事情はないが、それだけでは十分ではないと判断されたという。
ニコライセン氏は、「もはやこの結果を受け入れるほかない」と述べた。同氏は中銀で、世界最大の1兆ユーロ(約126兆円)を超える規模のノルウェーの政府系ファンドの管理に関する特別な責任を負っていた。
ニコライセン氏は1959年生まれで、2010年に妻と結婚。2014年に現職に就任し、2020年4月に再任された。
中銀の広報担当者はAFPに、ニコライセン氏の初任時の機密情報取扱許可に関する評価は、ノルウェー財務省が行ったが、再任時は法務公安省が管轄する専門機関が行ったと明らかにした。今回の評価手続きは、2019年後半に開始したという。
ノルウェー当局は、中国とロシアがノルウェーを標的とするスパイ活動を試みているとたびたび非難している。【翻訳編集】 AFPBB News