[ワシントン 11日 ロイター] – 米連邦最高裁は11日、大統領選の激戦4州の結果の無効化を求めた訴えを退けた。最高裁は8日にも、ペンシルベニア州の郵便投票の無効化を求めた訴えも退けている。いまだに敗北を認めず「選挙は盗まれた」と主張するトランプ大統領が法廷闘争を続けるのは難しい状況となった。
訴訟は、民主党のバイデン氏が制したジョージア、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの4州で選挙手続きが不当に変更されたとして、投票の無効化を求めてテキサス州司法長官(共和党)が8日に起こした。ミズーリ州など17州、共和党の下院議員100人余りが支持し、トランプ氏も介入する構えをみせていた。
連邦最高裁は11日、テキサス州は、他州の選挙手続きについて訴訟を起こす法的地位を有さないとし、原告適格がないと指摘した。
14日には全米で選挙人投票が行われ、バイデン氏の当選を正式に認定する見通しだ。
<まさかの門前払い>
トランプ氏は、選挙前から、決着は最高裁になるかもしれないと語っていた。その心づもりの裏には、最高裁判事の陣容がある。
トランプ氏は任期中に、3人の最高裁判事を指名、3人目のエイミー・バレット氏は選挙目前の10月下旬に就任した。最高裁判事9人のうち6人が保守派となり、トランプ氏は、選挙結果を巡り法廷闘争になっても、最高裁で勝てるとにらんでいた。
ところが、今回のテキサス州司法長官が起こした訴訟では、バレット氏のほか、トランプ氏が据えたニール・ゴーサッチ、ブレット・カバノー両判事も却下に回った。
ホワイトハウスのマケナニー報道官は、フォックス・ニュース・チャンネルに対し「彼ら(最高裁判事)は逃げた。手続きの背後に隠れ、憲法を執行する権限を行使するのを拒んだ」と述べた。
バイデン氏の報道官は、トランプ氏の選挙結果を覆そうとする「根拠のない試み」を最高裁が却下したことに「驚きはない」と述べた。