ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は13日、ホワイトハウスでの動画による声明を発表し、新たな暴動の脅威が迫っているとして国民に平静を呼びかけた。この数時間前には下院で自身への2度目となる弾劾(だんがい)決議案が可決したが、声明ではそのことに触れなかった。
トランプ氏は大統領警護隊(シークレットサービス)から説明を受けたとしたうえで、首都ワシントンが新たな暴動の脅威にさらされていると警告。国民に平静を保つよう求めた。当局者の1人がCNNに明らかにしたところによると、当該の説明は11日に行われ、これを受けてトランプ氏は動画の撮影を決定したという。
動画の中で、オーバルオフィスの執務机についたトランプ氏は、「本当に私を支持する人々なら、政治的な暴力を認めるはずがない。本当に私を支持する人々なら、警察や我が偉大なる米国旗に敬意を払わないはずがない」「今、我々の指針を信じるすべての人々に求めるのは、緊張を緩和する方策について考えることだ。怒りを静め、我が国に平安をもたらすためにできることを考えてもらいたい」と語った。
動画の撮影は民間のテレビ局ではなくホワイトハウスが行った。
動画の最後でトランプ氏は、「言論の自由がかつてない攻撃にさらされている。我々はこの数日でそれを目撃した」とも指摘。「我が同胞たる市民を検閲し、投稿を削除し、要注意人物として記録するやり方は不当かつ危険である」「今我々に必要なのは互いの意見に耳を傾けることであって、互いの口を封じることではない」と主張した。
今月6日、トランプ氏の支持者らがワシントンの連邦議会議事堂の建物に乱入した事件を受け、米SNS大手のツイッターとフェイスブックは同氏のアカウントを停止。動画投稿サイトのユーチューブも、同氏のチャンネルへの新たな投稿を停止するルールを適用すると発表している。
トランプ氏は13日午後にホワイトハウス経由で声明を出し、「暴力や違法行為、破壊行為はどのような形であれ決してあってはならない」と強調した。