トランプ氏の弾劾訴追で2024年の出馬は不可能? 拡散した誤情報を検証

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トランプ米大統領の弾劾訴追をめぐる誤った情報がツイッターで拡散した/Tasos Katopodis/Getty Images North America/Getty Images

トランプ米大統領の弾劾訴追をめぐる誤った情報がツイッターで拡散した/Tasos Katopodis/Getty Images North America/Getty Images

ワシントン(CNN) トランプ米大統領が2度目の弾劾(だんがい)訴追で2024年大統領選に出馬できなくなるとの誤った情報が先週末から今週にかけてツイッターで拡散した。投稿に記載された他の情報も正しくなかった。

8日に投稿されたツイートは11日の時点で18万1000回リツイートされ、72万5000回のいいねを獲得。その内容は次の通りだった。

「今回彼(トランプ大統領)を弾劾訴追することに価値があるのかと思う人に。それによって彼は1)生涯にわたる20万ドル以上の年金を失う、2)年間100万ドルの旅費手当を失う、3)生涯にわたる完全な大統領警護隊(シークレットサービス)を失う、4)2024年の立候補ができなくなる」

このツイートは様々な点で不正確な内容だ。以下、1~4のそれぞれについてファクトチェックをする。

1)トランプ氏は、下院が同氏の弾劾訴追を決議し、上院が同氏の罷免(ひめん)を決議した場合のみ、退職後の年金を失う。弾劾訴追だけで罷免されなければ、トランプ氏がそうした恩恵を否定されることはない。

2)生涯にわたり大統領警護隊による保護を受ける大統領は、100万ドルの旅費手当を受け取らないことが法律で明確になっている。

3)上院がトランプ氏を罷免し、再選を禁止する決議をしても、トランプ氏が生涯にわたる大統領警護隊の保護を失うかどうかは明確ではない。

4)上院がトランプ氏の罷免を決議しても、2024年の同氏の出馬が阻まれるわけではない。大統領への就任を禁止するには、そのために追加の決議を行う必要がある。

投稿は既に削除されたが、各点について詳しく見てみよう。

大統領を退職した後の年金

トランプ氏は今回、6日の同氏支持者による連邦議会議事堂への乱入で反乱を扇動したとして下院で弾劾訴追された。だが、前回2019年に自身の政治的利益のためにウクライナとの関係を利用しようとしたとして弾劾訴追されたときと同様、この訴追だけで年金を失うことはない。元大統領法によれば、上院が同氏に有罪判決を下し罷免した場合にのみ年金を失う。

多くの市民は弾劾訴追(impeachment)の言葉を、弾劾訴追と罷免(removal)の両方を指すものとして使うため、このツイートはよくある間違いといえる。

弾劾訴追されても罷免されなければ、大統領は生涯にわたり年金を受け取る権利がある。その金額は行政省庁のトップの年間給与額と同じで、トランプ氏の場合は前任者のオバマ氏と同じく年額20万ドルあまりとなる。

2024年の出馬

トランプ氏が下院で弾劾訴追され、さらに上院で有罪判決を受け罷免されても、2024年やそれ以降の大統領選への同氏出馬は阻めない。

将来の大統領就任を阻むには、上院が出席議員の3分の2の特別多数でトランプ氏の罷免を決議した後、出席議員の単純多数(過半数)による追加の決議が必要となる。

弾劾や政治的調査に精通する弁護士で、チューレーン大学ロースクールで教えるロス・ガーバー氏によると、上院は有罪判決と罷免の決議をスキップして、将来の資格剥奪(はくだつ)の決議に進むことはできない。

ただし、資格剥奪については不確実な部分がある。過去に上院が大統領を罷免したことはなく、資格剥奪が行われたのは裁判官だけだからだ。憲法にある資格剥奪の文言は「米国の名誉、信任または利益を伴う公職に就任し在職する資格の剥奪」(※)とある。ガーバー氏によると、裁判所も議会もこれまで大統領職が「米国の名誉、信任または利益を伴う公職」に該当するかを判断したことはないという。ただ、ガーバー氏は個人的見解として大統領職はこれに該当すると考えている。

大統領警護隊による保護

トランプ氏が罷免されたら、大統領警護隊による保護を失うのだろうか。法学教授のステファン・ブラデック氏とジョシュ・ブラックマン氏によると、それは明確ではないという。

誰が「元大統領」に当たるかについて、2つの関連法令があり、文言に違いがある。

1つは前述の元大統領法で、大統領退職後の一定の特権については、上院で罷免された大統領は「元大統領」とみなさないと規定している。

一方、2013年にオバマ氏が署名した元大統領保護法では、シンプルに元大統領への生涯にわたる大統領警護隊による保護を定めているが、「元大統領」の定義は特にしていない。

連邦政府や裁判所がどちらの定義を採用するかはわからない。大統領警護隊にコメントを求めたが返答はなかった。

ツイートは不確定な点について断定的に書きすぎていたと言える。

旅費

トランプ氏が100万ドルの旅費手当を受け取ることになるかは不透明な状況だ。旅費手当――正確には警護及び旅費手当――は、生涯にわたる大統領警備隊の保護を受けない元大統領のみが受け取れるためだ。ある大統領経験者の事務所関係者はCNNに対し、同大統領経験者にこの手当を受け取る資格がないことを確認した。

言い換えれば、普通の環境なら――つまり、トランプ氏が通常通りに退任して、その場合には議論の余地なく受けられる生涯にわたる大統領警備隊の保護を享受する場合は――トランプ氏は100万ドルの警護及び旅費手当を受け取ることはない。

ツイートの経緯

CNNがツイートをしたコスティロ氏に連絡し、投稿内容をファクトチェックすること、その多くが不正確であることを伝えたところ、同氏は愛想よく「それは引き裂いて新しい物にしてほしい」と返答し、自身は「名もない人物」でテキサス州に住み糖尿病の持病があると説明した。自身のフェイスブックに現れた情報を見て気分がよくなりツイートしたという。

また、内容が正しいと確信していたわけでは全くなく、ツイートの拡散状況に驚いたとも語った。ツイートの投稿時にはフォロワーは200人しかいなかったという。

「世界を混乱させたいわけではない。ただ気分がよくなりたかっただけだった」「その結果、多くの人の気分がよくなったとわかった」とコスティロ氏は語った。

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