昨年4月の早朝、仁川空港貨物ターミナルで新型コロナウイルス検査キットを米国に輸出するため関係者らが検査キット貨物を積載している。[写真 外交部]
中小企業が昨年12月と10-12月期にそれぞれ月別、四半期別の過去最高輸出を記録した。特に検査キットなど新型コロナウイルス関連品目の輸出が大きく膨らんだ。中小企業が総輸出で占める割合もこの3年で最高水準を記録した。
中小ベンチャー企業部が19日に発表した「2020年の中小企業輸出動向と特徴」によると、昨年の中小企業輸出は1008億ドルで前年比0.2%減少した。新型コロナウイルスの衝撃は大きかったが、下半期から回復して1年前と同水準を維持した。中小企業の輸出は9月に19.1%と大きく増加した後、11月の12.1%に続き12月も14.0%と増加傾向を継続した。12月は105億9000万ドル、10-12月期は288億ドルで、月別、四半期別で過去最高記録を打ち立てた。
中小企業が大企業や中堅企業より善戦し総輸出で占める割合は2018年の17.4%から昨年10-12月期には20%を超えた。中小企業中心の防疫製品と在宅需要など非対面トレンド有望品目の輸出が躍進し、オンライン輸出の好調も一役買った。こうした品目がなければ中小企業輸出も輸出全体と同水準の5%台の減少率を示しただろうとの評価が出ている。
◇検査キットのおかげで…関連品目50位から7位に
防疫製品は輸出額が前年より589%増加した。このうち検査キットは179カ国に輸出され2989%増えた。検査キットが含まれる品目のその他精密化学製品(PCR方式)は昨年輸出上位品目50位から7位に、医薬品(迅速抗原方式)もやはり45位から9位と、それぞれ上位10大品目に初めて入り新たな輸出動力に浮上した。
韓流の影響も大きかった。化粧品は下半期以降北米と欧州地域への輸出が2桁増加し、BTS(防弾少年団)の人気で音楽ソフトなどの対米輸出も38.6%増えた。デジタル装備など非対面トレンド有望品目も25%増加した。
オンライン輸出も大きく成長した。昨年中小企業のオンライン輸出規模は前年より106.3%成長した。関連企業と雇用も急増した。オンライン輸出企業数は同じ期間に4303社から7364社、新規セラーは8497人から2万9691人にそれぞれ増えた。
今年も輸出回復傾向は続くと予想される。世界の景気回復とともに昨年振るわなかった自動車部品など中小企業の主力品目輸出も回復し、検査キットをはじめとする新型コロナウイルス有望品目の需要もしばらく持続するものとみられる。中小ベンチャー企業部の朴映宣(パク・ヨンソン)長官は「新型コロナウイルスにも前年の輸出規模を維持したのは大きな成果。中小企業が新たなトレンドを輸出拡大の機会に活用するよう総力支援したい」と話した。