スーパーで食料品を買う女性。
景気回復の傾向が停滞しているなか、エネルギーと農畜産物などの価格が高騰している。一般的に専門家たちは物価上昇の原因を2つに分析している。▼需要増加にともなう物価上昇▼コスト上昇にともなう物価上昇だ。この中でコスト上昇にともなう物価上昇は景気回復に否定的に働きかねないため、「悪いインフレ」と呼ぶ。
10日韓国石油公社によると、今月第一週目に全国ガソリンスタンドのガソリンの平均値段は前週より9.7ウォン(約0.93円)上がった1リットル当たり1483ウォンだった。ガソリン価格は昨年11月第4週目(1リットル当たり1318.8ウォン)以降15週連続で上昇した。液化石油ガス(LPG)価格もともに上昇した。全国LPGガススタンドの平均販売が(一般プロパンガス)は先月、1キログラム当たり1120.47ウォンだった。昨年5月(1キログラム当たり895.7ウォン)に比べると25%以上高い水準だ。
国際エネルギー価格は今年に入って上昇傾向だ。ドバイ原油は8日基準で1バレル当たり68.32ドル(約7408円)となった。今年初めに比べると30%以上急騰した。
エネルギー価格の上昇は電気料金の引き上げにつながり得る。韓国電力は今年から電気料金に燃料費連動制を適用する。エネルギー価格の上昇は6カ月以上の時差を置いて電気料金に反映される。今年下半期には同じ電力量を使ったといっても上半期より高い料金を払う可能性がある。
ソウル市はバス・地下鉄料金を200~300ウォン引き上げる案を検討している。上水道料金は累進制を廃止して1立方メートル当たり単位料金を引き上げる案を検討中だ。ただし、ソウル市が公共料金を上げるためにはソウル市議会審議など公論化の過程を経る必要がある。
消費者物価も上昇している。統計庁によると、先月農畜産物物価は1年前より16.2%上がった。月間上昇幅では2011年2月(17.1%)以降最も大きかった。鳥インフルエンザと寒波の影響で農畜産物の供給が円滑でなく、国際市場で穀物価格が上がった影響もある。
韓国銀行によると、昨年10-12月期の経済成長率は前期比1.2%を記録した。昨年1-3月期(-1.3%)と4-6月期(-3.2%)のマイナス成長からは抜け出したが、昨年7-9月期(2.1%)よりは多少低くなった。
一部ではスタグフレーションの可能性を警告する声もある。スタグフレーションとは、景気が振るわない状況で物価が上がることを言う。現代経済研究院は最近の報告書で「景気低迷が続き、インフレへの圧力が高まっている。スタグフレーション発生の可能性を排除することは難しい」と主張した。