韓国銀行「韓国経済の物価上昇圧力が予想より拡大する可能性ある」


基準金利引き上げの方向指示器を点灯させた韓国銀行が雰囲気固めに出た。物価上昇(インフレ)圧力が予想より高いかもしれないとの見通しを出したのだ。

韓国銀行は19日に発刊した「BOKイシューノート」で、「経済活動正常化の過程で需要側要因による韓国経済の物価上昇圧力が予想より拡大する可能性がある」と分析した。

インフレ圧力が大きくなる根拠として挙げたのが新型コロナウイルス感染拡大後に急激に増えた市中流動性だ。年0.5%まで基準金利を引き下げた緩和的通貨政策と景気浮揚に向けた財政政策まで加わり市中の通貨量は急増した。5月現在の市中通貨量を意味する広義のマネーサプライ(M2)は1年前より11%増えた。

通貨量が増えれば物価上昇をあおりかねない。報告書は「過去と違いパンデミック期間中に急増した通貨量がインフレ圧力として作用する可能性を排除することはできない。増えた流動性を適切なタイミングで回収できなければ景気回復過程でペントアップ消費の拡大とかみ合わさりインフレ圧力として作用する可能性が残っている」と指摘した。

急騰する国際原材料価格も物価上昇の触媒の役割をする恐れがあるというのが韓国銀行の分析だ。輸入物価が上がれば国内消費者価格も上がるほかはない。韓国銀行は先月9日に発表した報告書によると、国際原材料価格が10%上がれば国内消費者物価は1年後に最大0.2%上昇すると分析した。

国際原材料価格は揺れ動いている。10年ぶりに原材料のスーパーサイクルに入ったという意見(JPモルガンなど)まで出ているほどだ。実際にゴールドマンサックス原材料指数(S&P GSCI)は5月9日に526.28となり、2014年11月から6年6カ月来の高水準となった。

その影響で先月の国内輸入物価指数(ウォン基準速報値)は鉱産品、石炭と石油製品などを中心に1年前より14.0%上昇し6年9カ月来の高値を記録した。

インフレ圧力が大きくなり年内に基準金利引き上げを既定事実化した韓国銀行が動ける余地も少し広がる見通しだ。家計負債増加により大きくなる金融不安定だけでなく、物価上昇の勢いが予想より急な場合、金利引き上げに出なければならない理由が増えるためだ。

報告書は「今後経済条件に対する不確実性と原材料価格急騰の懸念が期待インフレを刺激する場合、実際のインフレ圧力として作用しかねない。期待インフレを管理することが徐々に重要になるだろう」と明らかにした。続けて「景気回復傾向を阻害しない水準で流動性の過度な拡大を防止しなければならない」と強調した。



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