1192億ウォン払って購入したスパコンを「スクラップ」として7920万ウォンで売却した韓国気象庁(朝鮮日報)
韓国気象庁が購入時に総額1192億ウォン(現在のレートで約111億8000万円、以下同じ)を支払ったスーパーコンピューター1-3号機が7920万ウォン(約742万6000円)で売却されていたことが8日までにわかった。1台数百億ウォン(数十億円)のスーパーコンピューターを購入し、その後交換の時期になると性能の低下がないにもかかわらず、慣例として「スクラップ処理」を行っていたという。巨額の税金が投入される高価な物品のため、「交換の時期が過ぎたスーパーコンピューターをリサイクルする方法を検討すべきだ」との指摘が出ている。
国会環境労働委員会に所属する保守系野党・国民の力の権寧世(クォン・ヨンセ)議員はこの日「各部処(省庁)の資料を分析した結果、気象庁は2000年から昨年までスーパーコンピューター1-3号機の購入に総額1192億ウォンを支払ったが、これを7920万ウォンでスクラップとして売却した」と指摘した。具体的にみると、気象庁は2000年に166億ウォン(約15億6000万円)で購入したスーパーコンピューター1号機を06年に120万ウォン(約11万3000円)でスクラップとして売却した。05年に485億ウォン(約45億5000万円)で購入した2号機、03年に541億ウォン(約50億7000万円)を投じた3号機も同じように処分された。
(引用ここまで)
またもや国政監査の話題。
今回は韓国気象庁が購入したスパコンがくず鉄として使われていた、というもの。
1192億ウォン払って、7920万ウォンで売却。
うーん、難しいところかな。
スーパーコンピュータって陳腐化がとんでもなく早い代物です。
理化学研究所に5万円以上の寄付をするとバラした京のCPUがもらえる、というキャンペーンのようなものを理研の計算センターがやっていましたが。
京は2012年に運用開始されたもの。当時、スパコンランキングのTOP500で1位でしたね。
で、2019年には運用終了。
まだ使おうと思えば使えるレベルのものでも費用対効果が悪いのでこうして破棄されざるを得ない。
かつてTOP500で1位を獲得した京ですらこうなるのですから。
2000〜05年までに韓国気象庁に導入されていたものが、どのていどのものかというと2000年11月のTOP500に100位でおそらくこれ。
TOP500 LIST – NOVEMBER 2000(TOP500)
NEC製のSX-5ですね。こりゃ懐かしい。このシリーズのSX-9がサマーウォーズで使われていたスパコンのモデルとなったものです。
24コアで181GFlops。うーん……まあ、これを2006年に処分したのは正しいんじゃないですかね。
2006年の100位は6.6TFlops。500位でも2.7TFlops。単位が変わっちゃってますからね。
単位を揃えるとSX-5は0.18TFlopsですから。500位に対しても15倍の性能差をつけられているわけです。
この当時でもなんらかの使い道はなくはないと思いますが。
費用対効果で見た時にこのスパコンを使うよりも、他の機関での時間貸しを求めたほうがよいんじゃないでしょうか。
韓国国内にそんなものがあるかどうかは不明ですが、ほとんどの場合で国外でも問題ないですしね。
京や地球シミュレータのように独自製造しているというのであれば、ちょっとしたモニュメント的な使いかたもできるでしょうけども。
韓国では一貫してありものを買ってきているだけ。
現在の韓国気象庁のスパコンMaruとGuruもLenovo製でXeonプロセッサを用いたもの。
廃棄時は……スクラップ扱いでいいんじゃないかなぁ。