UAEアブダビ北部のカリファ港で中国が軍事施設を建設していた問題で、この件はまだ決着がついていないと関係筋が明らかにした。つまりUAE側は何とか中国に工事を進めさせたいのだ。その方が中国マネーの流入に期待できるからだろう。だがこの問題が深刻化すればUAEは米国製兵器を輸入できなくなるとも言われている。
中国、UAEの港で極秘の施設建設 米の圧力で工事中止
11/21(日) 14:35配信 CNN.co.jp
(CNN) 中国がアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビ近くで利用権を得ている港湾内で軍事用ともされる施設の建設を極秘で進め、これを把握した米国がUAEに再三圧力を加え、工事が少なくとも現段階では中止されていることが21日までにわかった。
この問題に通じる2人の関係筋がCNNに明らかにした。工事はここ数カ月間、米政府高官や米連邦議会の有力議員の外交的な努力の焦点ともなっていた。UAEに対する米国の最新型戦闘機や他の先端的な軍需品の輸出を頓挫させかねない問題ともなっていた。
工事に関連する情報に詳しい関係筋は「UAEを説得し、工事をやめさせることに成功した」としながらも、「この問題に決着が付いたわけではない」とも釘を刺した。
米政府当局者は、商業用のハリファ港の内部で進められていた工事は軍事施設と判断して、少なくとも1年間、進捗(しんちょく)状況などを注視してきた。同港はアブダビから約50マイル(約80キロ)離れ、中国の複合企業体が運用しているという。
UAEへの圧力はトランプ前政権時代から始まっていた。米議員らはアブダビ首長国の皇太子に接触し、懸念を伝えるなどしていた。
米国はUAEを中東内における対テロ作戦の重要な協力国と位置づけている。アブダビ郊外にあるUAEの空軍基地には数千人規模の米軍兵士も駐留している。
中国とUAEはハリファ港を純然たる商業用の港と主張しているが、関係筋によると、米情報機関は商船を装っていたものの、中国軍が電波傍受による情報収集に通常使う船舶の入港を確認してもいた。
UAE側がこの港に絡む中国側の意図をどの程度察していたのかについて米側の見解は分かれている。ワシントンのUAE大使館の報道担当者は声明で、中国の軍事基地や何らかの前哨基地を受け入れる合意や計画、話し合いなどをしたことは一度もないと主張した。
中国は世界中で商港開発を模索しているが、米政府当局者は軍事的な利用への足がかりを狙う明白な努力と受け止めている。パキスタンやスリランカでは既に商港を整備し、2017年にはアフリカのジブチに海外では初めての軍事基地を築いてもいた。
学びがある! 18
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新しい視点! 17
UAEのど真ん中に中国人民解放軍の基地ができた
黒井問題となっているカリファ港はアブダビ北部数十kmに位置していて、地図で見れば分かるようにドバイからも簡単に来ることができる場所だ。ここに中国の軍事施設ができるというのは、UAEの心臓部を簡単に突き刺せる位置に人民解放軍が来たことを意味する。米軍が駐留しているとは言え、この状況は陥落したにほぼ等しい。
何よりまずいのは米国製兵器の輸出が”頓挫”するかもしれないという話だ。頓挫とは書かれているが、これはUAEへの禁輸措置を発動するという意味だ。それが韓国製の迎撃ミサイルシステム導入の背景だとすれば尚更まずい。UAEは既に中国の一部となってしまったのかもしれない。