【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
平成の終わり、鉄道各社が挙って取り組んだ「豪華列車」の旅。しかし、鉄道旅好きには、少し敷居の高さを感じる列車でもありました。少し背伸びすれば手が届く長距離列車……この辺りのニーズに応えるべく、「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」の3つをキーワードに令和2(2020)に年誕生したのが、JR西日本の「WEST EXPRESS銀河」です。今回は、現在運行されている山陽コースの下り列車に乗車、約12時間の旅を楽しんでみました。
【写真全14枚】抽選に当選しないと乗れない「WEST EXPRESS 銀河」の内装とは
「WEST EXPRESS銀河」山陽コースの旅(第1回/全3回)
117系電車・特急「WEST EXPRESS銀河」、東海道本線・大阪駅
通勤・通学客が行き交う、朝の大阪駅に瑠璃紺色の電車が入って来ました。この列車は、「WEST EXPRESS銀河」。令和2(2020)年から、西日本エリアで運行されている新しい形の観光特急列車です。これまで山陰方面(京都~出雲市間)の夜行列車、山陽方面(大阪~下関間)の昼行列車、そして、紀南方面(京都~新宮間)の夜行・昼行列車が運行され、大きな人気を博しています。
大阪駅
「WEST EXPRESS銀河」は旅行商品として販売されており、事前の抽選に当選した方が乗車できます。当初は通常の列車同様、切符を購入すれば乗車できるカジュアルな形が予定されていましたが、コロナ禍もあって、当面の間は旅行商品として販売されています。今回は3月まで運行される山陽方面下り列車の抽選にようやく当選、乗車が叶いました。大阪駅の発車案内に「下関」と表示されると、いよいよ「旅」という気分になりますね。
(注)5月からの山陰コースは、「先着順」で旅行商品として販売されます。
●座席のバリエーションが楽しい「WEST EXPRESS銀河」!
「WEST EXPRESS銀河」の3号車(普通車指定席)
「WEST EXPRESS銀河」山陽方面の下り列車は、大阪を7:19に発ち、終着・下関には19:45に着きます。山陽新幹線「のぞみ」が2時間あまり(新大阪~小倉間)で走破するところを12時間以上かけて行くのんびりとした旅です。今回はリクライニングシートが並ぶ3号車の普通車指定席に揺られていきます。この他、2号車が女性専用車両、1号車がグリーン車(ファーストシート)、6号車がグリーン個室(プレミアルーム)などとなっています。