大阪府警察本部
大阪府高槻市の会社員女性が昨年7月、自宅の浴槽で死亡しているのが見つかり、府警は、殺人容疑で捜査を始めた。府警が21日発表した。遺体を詳細に調べた結果、両手首を縛られたような痕があったことが判明。女性には約1億5000万円の生命保険がかけられていたという。
発表によると、女性は大手銀行の関連会社(大阪市)に勤務する高槻市八幡町の高井直子さん(当時54歳)。昨年7月26日午前11時頃、高井さん宅を訪れた親族が、水が張られた浴槽内で死亡しているのを見つけて110番した。高井さんは一人暮らしで、室内に荒らされた形跡はなく、現金70万円や通帳が入ったポーチが残されていた。玄関は施錠されていた。
高井さんは同23日頃に死亡したとみられ、遺体の腐敗が進んでいた。司法解剖での死因は不詳とされたが、右手首に結束バンドが巻かれており、府警は事件と事故の両面で捜査を進めた。
さらに遺体を詳しく調べたところ、左手首にも圧迫されたような痕があったことがわかり、両手を縛られていた可能性が浮上した。持病はなく、死因は溺死の疑いが強いことも明らかになったという。府警は抵抗できないようにして浴槽に沈めたとみている。
高井さんは同21日に出勤し、午後5時10分に退社。4連休明けの26日に出勤せず、会社が近くに住む親族の女性に連絡したという。
府警によると、高井さんは独身で、資産家だったという。2社の生命保険に加入しており、死亡時に支払われる保険金は計1億5000万円だった。受取人は、養子縁組をしている20歳代の男性になっていたという。