大阪府警察本部
大阪府泉大津市のコンビニエンスストアで１０年前、現金を盗んだとして窃盗罪で起訴され、その後無罪判決が確定した男性について、府警は４日、初めて誤認逮捕だったと認め、男性に謝罪した。府警は同日、再捜査で容疑者と特定した３０歳代の男を窃盗容疑で書類送検したが、すでに公訴時効（７年）が成立しており、大阪地検は、不起訴とした。
男性はミュージシャンの土井佑輔さん（３１）。土井さんは２０１２年６月、泉大津市のコンビニでレジから１万円を奪ったとして８月に強盗容疑で逮捕され、その後窃盗罪で起訴された。自動ドアに残された指紋が証拠とされたが、大阪地裁岸和田支部は１４年７月、事件５日前に土井さんが触った可能性があるとして無罪を言い渡し、１審で確定した。
店の防犯カメラには、金を盗んだ男がレジ袋を触る様子が映っていた。府警が昨秋から再捜査し、レジ袋の指紋が３０歳代の男の指紋と一致。男が容疑を認めたという。
土井さんは当時、約１０か月間勾留された。府警と地検岸和田支部の幹部から謝罪された土井さんは、読売新聞の取材に「なぜ無罪確定後にすぐ再捜査し、謝罪してくれなかったのか」と話し、「警察は責任の大きさを自覚してほしい」と訴えた。
府警の熱田好司・刑事総務課長は「二度とないよう適正な捜査の指導を徹底する」とのコメントを出した。
