【記者が悼む】石原慎太郎氏の妻・典子さん、4人の息子だけでなくファミリー全体の「母」だった


【記者が悼む】石原慎太郎氏の妻・典子さん、4人の息子だけでなくファミリー全体の「母」だった

スポーツ報知のインタビューに笑顔を見せる石原典子さん(2006年2月撮影)

【写真】先月、父・慎太郎さんと別れ…あいさつする4兄弟

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 慎太郎氏の都知事選や、宏高氏の衆院選を取材すると、典子さんが応援に来る姿を何度も見た。ただ、人前では決して出しゃばらない。我々、報道陣にも会釈をするだけ。物静かな方なのかな、そんなイメージを勝手に持っていた。

 2006年2月、「親」をテーマにインタビューした。4人の息子について聞くと、イメージはすっかり一変した。エピソードが次々と出てくる。驚いたのは記憶の正確さだった。多くの取材相手は「学生の頃…」「10代の時かな」と曖昧なことが多い。なのに典子さんは、4人すべての思い出を「あれは、宏高が小学3年生だった頃の保護者会ね」と完璧にたどった。原稿には盛り込めなかったが、息子の妻の性格から孫の誕生日まで何人分も把握していた。

 ベストセラー「スパルタ教育」で知られ一見、厳しそうな慎太郎氏は、子どもたちにはとても甘かったという。その分、典子さんは時に優しく、時に厳しく4人を育てあげた。選挙取材中、移動の車内で典子さんが慎太郎氏に身ぶり手ぶりで何かを教えているのも見かけた。4人の息子だけでなく、夫や孫まで、石原ファミリー全体の母のような存在だった。(浦本 将樹)

報知新聞社



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